2012年10月14日日曜日

海外の若年者雇用対策(フランス)

諸外国でも日本と同様に若年者の雇用環境が厳しい状況ですが、フランスでは、新たな若者雇用対策「将来雇用制度」と「世代契約制度」を発表しました。


若年者の雇用の動向と、フランスの施策の概要を記載しますね。

若年者雇用の現状(2012.05.12日経電子版より)

若年層の失業率の上昇は、欧州を中心に先進国共通の課題になっている。経済協力開発機構(OECD)によると、10年の若年失業率(15~24歳)はフランスで22.5%、イギリスで19.1%、米国でも18.4%に達する。若いうちに職に就けないと、企業が求める知識や技術をなかなか身につけられず、失業が長期化しがちな問題が指摘されている。

日本の若年者雇用の現状(2012.05.12日経電子版より)

一般に15~24歳の若い年齢層の失業率を指す。日本の2011年の若年失業率は8.2%と、全世代の4.6%より大幅に高い。働きたくても職に就けない若者が日本では12人に1人いる計算になる。

以下は、上記リンクにあるフランスの施策記事からの一部抜粋です。

フランスの施策1「将来雇用制度」

就職が困難な状況にある若年者を、非営利部門や社会的に有用な産業で雇用し、その賃金の75%を国が助成する制度。
この制度は、就職が困難な状況にある若年者に就業の機会を与え、職業経験を積み職業能力を向上させ、将来的に安定した職を得ることを目的としている。
若年者を採用する場合、原則としてフルタイムで無期雇用契約か、3年間の有期雇用契約、または3年まで更新可能な1年間の有期雇用契約を締結しなくてはならない。
国は原則として、「将来雇用制度」で採用された若年者の給与の75%を、3年間に渡って助成することにしている。

フランスの施策2「世代契約制度」

「将来雇用制度」に引き続き、9月5日の閣議で「世代契約制度」を創設する方針を、明らかにした。
この「世代契約制度」は、若年者を無期雇用契約で採用すると同時に、企業内の高年齢者を、その指導的役割を果たす社員として継続雇用することを目的とする。
若年者と高年齢者の就業を同時に促進させることとともに、高年齢の熟練労働者から若年者への技能の伝承なども目的としている。
政府は従業員数300人未満の企業に対して、一定の助成金を支給することとしている。具体的には、無期雇用契約で採用された若年者の賃金助成として3年間、継続雇用された57歳以上の高年齢者にかかる賃金の助成として定年までの間、それぞれ年間2000ユーロ程度を支給することを想定している。
また、従業員数300人以上の企業では賃金助成の対象としないものの、「世代契約制度」に関する労働協約を締結することにより、社会保険料の軽減措置を維持することとしている。

なお、関連情報としてILO(国際労働機関)が2012年10月3日に発表している若年者雇用に関する記事のリンクを貼ります。